補聴器を付けた方が良いのか相談したい

概要

難聴には治るものもありますが、残念ながら治らない難聴もあります。治らない難聴で、生活に何らかの支障がある場合には補聴器を付けることが勧められます。

診察

難聴がいつからあるのか、中耳炎やその他難聴を起こす疾患の既往、聞こえにくくて困るのはどんな場面なのかなどを問診で確かめます。
視診では、外耳道と鼓膜の状態をよく確かめます。補聴器を希望して来院された方でも、診察してみると耳垢栓塞や滲出性中耳炎が原因の難聴であったりすることもあります。これらは治療すれば聴力の改善が見込めますから、外耳道や鼓膜に異常のないことを確かめるのは重要です。また、慢性中耳炎で耳だれが出ている場合は、補聴器を付ける前に治療して、出来るだけ耳だれを止める必要がありますので、鼓膜穿孔や耳だれがないかなどもよく確かめます。

検査

聴力検査で難聴の程度やタイプ(伝音難聴か感音難聴か)を調べます。
語音聴力検査で言葉の聞き取りやすさを調べます。言葉を聞き取る能力が残っているほど、補聴器は有効となります。左右どちらの耳に補聴器を付けた方がよいかを判断する参考にもなります。
MCL、UCLの検査:音を最も聞き取りやすい大きさと、大きすぎて苦痛に感じる音の大きさを調べます。補聴器の調整する際の参考になります。

補聴器の適応となるのは?

難聴により日常生活に何らかの支障のある方。聴力レベルではおおよそ40 dB以上といわれていますが、実際にはそれよりも軽い難聴でも補聴器を付けた方が良い場合もあります。

補聴器装着までの流れ

診察や検査の結果、補聴器を付けた方が良さそうだ、あるいは試してみる価値がありそうだと判断される場合、当院にて補聴器の販売店をご紹介いたします。その際、診察や聴力検査の結果と勧められる補聴器のタイプなどを記載した紹介状を発行いたします。
販売店にては、当院の診断結果を参考に患者さん個人に最も適したセッティングを行い、補聴器を貸し出してもらいます。
ある程度の試用期間をおいて、再び補聴器販売店へ。試用した結果、満足できる様であれば購入していただきます。不都合な点があれば再調整にて対処します。
再調整を経て補聴器の有用性が期待できる様であれば、購入していただきますが、どうしても期待通りの結果が得られない場合は、購入を見送っても結構です。
法律で定められた一定以上の高度難聴の場合は、身体障害者認定の上、補聴器の購入に際しては公費の負担が得られます。この場合は、別の手続きとなりますので、ご相談下さい。